著者:

歯を失ってしまった方への治療法

インプラント治療とは

歯を失うと、「しっかり噛めない」「見た目が気になる」といった不便さだけでなく、食事の楽しみや笑顔にも影響が出てきます。
そのときの選択肢には、主に

  • 入れ歯(義歯)
  • ブリッジ
  • インプラント

の3つがあります。
それぞれに特徴がありますが、インプラント治療は「自分の歯のように噛める」「見た目が自然」という点で、近年、多くの方に選ばれるようになっています。

インプラントとは、顎の骨に人工の歯根(チタン製)を埋め込み、その上に人工の歯(上部構造)を装着する治療法です。入れ歯のようにつけ外しすることがなく、ブリッジのように隣の健康な歯を削る必要もありません。“歯を失って終わり”ではなく、“もう一度、自分の歯を取り戻す”それが、インプラント治療の魅力です。

インプラント治療のメリット

  • 自分の歯のような噛み心地

    インプラントは骨としっかり結合するため、入れ歯のような違和感がなく、硬いものでも自然に噛めます。「しっかり噛める」ということは、胃腸への負担を減らし、全身の健康にもつながります。

  • 周囲の歯を守れる

    ブリッジのように隣の健康な歯を削る必要がありません。1本の歯を失ったことで他の歯まで犠牲にしない、“これ以上歯を失わないための治療”です。

  • 見た目が自然で美しい

    インプラントに装着する人工の歯(上部構造)は、セラミックやジルコニアを使った人工歯は、天然の歯と見分けがつかないほど自然です。笑ったときに見える歯並びも、周囲と調和します。

  • 顎の骨の健康を維持できる

    歯を失うと、顎の骨が痩せてしまうことがあります。しかし、インプラントは骨と結合するため、噛む力をしっかりと顎に伝え、骨の減少を防ぐ効果があります。これは、入れ歯やブリッジにはない大きな利点です。

  • 耐久性が高く、長持ちする

    適切にメンテナンスを続ければ、10年以上、場合によっては20年以上使えるケースも多くあります。「見た目の治療」ではなく、「将来の歯の健康を守る選択肢」。インプラントは、歯の“再生”とも言える治療です。

インプラント治療の流れ

STEP 01.

事前検査(精密診断)

インプラント治療を行う前に、口腔内の状態を詳しく調べる必要があります。

  • レントゲン・CTスキャン撮影(顎の骨の状態を確認)
  • 口腔内模型検査(噛み合わせのチェック)
  • 全身の健康状態の確認(糖尿病や高血圧など、持病の影響を考慮)

これらの検査をもとに、患者さまに合った最適な治療計画を立てます。治療内容や期間について詳しく説明し、ご納得いただいたうえで手術の日程を決定します。まずはCT撮影で顎の骨の厚みや神経の位置を確認します。“本当にインプラントが必要か”という判断も含めて、患者さんと一緒に治療方針を決めていきます。

事前検査

STEP 02.

治療開始(インプラント埋入手術)

お口の中が清潔で炎症のない状態であることを確認したうえで、手術を行います。局所麻酔を施し、顎の骨にインプラント(人工歯根)を埋め込みます。このインプラントが、新しい歯の土台となります。

手術の流れ

  • 麻酔を行い、顎の骨にインプラントを埋入
  • 手術後、骨とインプラントが結合するまで待つ(2ヶ月~半年)
  • 必要に応じて仮歯を装着し、見た目と機能を維持

インプラントが骨としっかり結合することで、強い噛む力を支えられるようになります。

インプラントを埋入

STEP 03.

人工歯の装着(アバットメント・上部構造)

インプラントが顎の骨としっかり結合したら、その上に「アバットメント」と呼ばれる人工歯を支える土台を取り付けます。その後、セラミックなどで作られた人工の歯(上部構造)を装着します。

人工歯の特徴

  • 患者さまの歯の色や形に合わせて作成
  • 見た目が自然で美しい
  • 強度が高く、長期間使用可能

これでインプラント治療が完了し、天然歯のような見た目と機能を取り戻すことができます。

人工歯の装着

メインテナンスの重要性

インプラントは「入れて終わり」ではありません。天然の歯と同じように、毎日のケアと定期的なチェックが欠かせません。特に注意すべきなのが、インプラント周囲炎と呼ばれる歯ぐきの炎症です。これは歯周病と同じように細菌によって起こり、放置するとインプラントが抜けてしまうこともあります。

定期検診(3~6ヶ月ごと)

定期検診
  • インプラントのネジの締まり具合や噛み合わせをチェック
  • 専用の器具を用いたクリーニング

毎日のセルフケア

毎日のセルフケア
  • 柔らかめの歯ブラシを使い、歯ぐきを傷つけないようにブラッシング
  • デンタルフロスや歯間ブラシで細かい汚れを除去
  • うがい薬を活用し、口腔内を清潔に保つ

定期的なメインテナンスを続けることで、インプラントは長期間にわたって快適に使用できます。インプラントを長持ちさせる最大のポイントは、「自分の歯と同じように手をかけてあげる」です。

インプラント治療を検討されている方へ

「この歯は抜かないといけないかもしれません」と言われた瞬間、不安や戸惑いを感じる方は多いと思います。”まだ痛みも少ないのに、急に“失う”現実が迫ってくる”そんなときに大切なのは、焦らず冷静に“これから”を考えることです。

歯を失ったあとには、ブリッジ・入れ歯・インプラントなど複数の方法があります。それぞれにメリット・デメリットがあり、“どの治療が一番良いか”ではなく、“あなたの生活に合うか”が大切です。当院では、そうした状況にある方にこそ、不安を取り除きながら一緒に考える時間をしっかり取るようにしています。「抜かないといけない=終わり」ではなく、「どう残すか・どう回復させるか」を一緒に考える。そこから始めましょう。

インプラント治療というと“手術が怖い”というイメージがあるかもしれませんが、実際には麻酔下で行うため痛みはごくわずかです。条件が整えば抜歯即時埋入(抜歯と同時にインプラントを入れる方法)を行うことで、通院回数や治療期間を短縮し、歯ぐきや骨の形を自然に保つことができます。
さらに、安全性を高めるために

  • CT撮影による3Dシミュレーション
  • サージカルガイドを使った正確な埋入

を行い、術前の計画段階から精密に治療を設計します。
また、仕事や引っ越しなどライフスタイルの変化にも柔軟に対応し、「出張の合間に通いたい」「仮歯が必要」などのご要望にもお応えします。インプラント治療は、生活を犠牲にして行うものではなく、“今のあなたのペースに寄り添う治療”です。もし「抜歯しかない」と言われて迷っているなら、まずは一度、相談にいらしてください。CTを見ながら「残せる可能性」「治療の流れ」「他の選択肢」まで丁寧にご説明します。

INFORMATION

医院情報 谷町六丁目駅すぐの歯医者
谷町6丁目おとなこども歯科・矯正歯科